日経バイオテク(日経BP社)に紹介されました - 2009年3月30日 -

in silico合成経路開発ベンチャーのTSテクノロジー、山口大の技術を基に6月に発足へ
(20090323) 2009年3月18日、山口大学の技術を基にベンチャーの設立を計画している大学院理工学研究科の堀憲次教授と、 社長に就任を予定している山口徹氏は本誌の取材に応じ、その事業計画などを説明した。 堀教授と山口氏が起業を計画しているのはTransition State Technology(TS TECHNOLOGY)というベンチャー。 07年度の科学技術振興機構(JST)独創的シーズ展開事業大学発ベンチャー創出推進に採択され、09年6月23日に設立する計画で準備を進めている。 同社が計画しているのは、化合物の合成経路をコンピューターを使って理論計算し、最適な合成方法を導き出す受託企業だ。製薬企業や化学メーカーでは、 実際に実験室で合成しながら最適な合成経路を決めているが、それをin silicoで行おうというものだ。 堀教授の研究室では、これまでの起業などとの共同研究により、工業的によく使われる反応の遷移状態に関して、 2000程度のデータを収録したデータベースを構築し、特許を出願している。このデータベースを利用して、目的物をどういう経路で合成すれば最も低コストで合成できるか、 歩留まりを高くすることができるかなどを計算する。 実際に化合物を合成せず、理論計算で行うことによって、合成経路の決定に要する時間とコストを大きく削減できるというわけだ。 化合物の合成経路の理論計算は、学問的には活発に行われているが、工業的にはほとんど使われていないという。 一方、堀教授らはこれまでに化学メーカーなどとの共同研究を行っており、「量子化学計算でやりたいというニーズは十分あると思う」(堀教授)とのこと。 受託価格は1反応の解析で20万円程度、合成経路の開発で150万円程度を想定しており、起業すれば発注するという企業も既に幾つかあるとのことだ。 同社では、起業や研究者らから出資を得て、当初の資本金は660万円でスタートする計画。JSTの助成により、400万円程度かけてクラスタ計算機などの設備投資は終了しており、 「初年度から黒字化できると考えている」と山口氏は話す。なお、堀教授は起業後、最高技術顧問に就任する予定だ。