合成経路開発に関する研究
合成経路開発に関する従来技術問題点は、
- 新規・既存化学物の合成経路開発やその改良は、試行錯誤を前提とした多くの実験を行わなければならない.
- 多段階反応では、最終ステップの結果を「信じて」、考えられる合成経路のすべてを行わなければならない.
- 新規・既存化学物の合成経路開発やその改良は、試行錯誤を前提とした多くの実験を行わなければならない.
- 情報化学的手法により、合成経路の設計は可能である.ただし、どの経路で目的化合物が合成できるかどうかは実験を行わなければわからない.
- 量子化学計算により、合成経路の可否を明らかにすることができるが、実験化学者が行うには大きな困難が伴う.
- 化学反応解析の専門家であっても、経験の無い反応の機構解析は、長い時間が必要.
などが挙げられる。遷移状態データベースを用いた「in silicoスクリーニング」を用いた合成経路開発手法を用いれば、これらの問題を解決することが可能!
計算化学の合成経路開発への応用
- 合成経路設計システム(SRDS)による合成経路創出
- 遷移状態データベース(TSDB)を用いた反応解析
- TSDBと合成経路創出システム(SRDS)と組み合わせたin silicoスクリーニングにより、合成経路開発の時間を飛躍的に短縮させる
- ケミカルベンチャーの起業
- 最終的には、自動合成ロボットやマイクロリアクターと組み合わせ、コンピュータを駆使した合成経路開発を行う
これまでの研究開発の成果
- 遷移状態データベース(TSDB)にかかわるプログラムとライブラリの充実
- T.Yamaguchi,H.Sadatomi,M.Sumimoto,K.Hori,international Conterence on Chemical Structures.P-91.8th international Conterence on Chemical Structures(2008).
- K.Uezu,T Yamaguchi,M.Sumimoto,K.Hori,P-90,8th international Conterence on Chemical Structures(2008).
- 山口徹、岡野克彦、計算化学と情報化学を融合した合成経路開発、堀憲次、J Comp.Alded Chem.,5,26-34(2004.)
- 堀憲次、計算化学と情報化学を融合した合成経路開発システム-遷移状態データベース-(A Data Base for Transition States.Ranking of Synthesis.Routes by using a System comblned Computational with information Chemistry.),J.Comp.Alded Chem.,2,37-44(2001).
- 堀憲次、名越康弘、山崎鈴子、遷移状態端末システムの構築、J.Comp.Alded Chemistry,1,89-97(2000).
- 計算化学と情報化学の融合が、新規合成経路開発に有効であることの検証.
- QM/MC法による溶媒効果の評価
- 実験収率の予測の可能性